ことば百科

文章の書き方・ととのえ方

20, 文章を書いたあとに

  推敲(すい‐こう) 最も適切な字句や表現を求めて考え練り上げること。

 文章を書き終えたら、推敲しなければならない。不適切なところや誤りは必ずあるといってよい。

 推敲するときには、これまでに触れてきた注意点を再確認することはいうまでもない。ここでは、とくに留意したい事がらをさらにいくつか示す。

〔1〕思い込みが先走りしていないか

 書き手の思い込みだけが先行することがある。書き手の熱意は伝わるが、何を言いたいのかわからない文章である。読み手が意識されていない。

 推敲するときには、もう一度対象とした読み手を思い出す。

〔2〕文の止め方は統一されているか

 文の止め方は、大きく「です・ます体」(これは本です・本を読みます)と「(で)ある体」(これは本である・本を読む)に分けられる。

 どちらを採用するかは書き手の自由である。また、文章の種類によって、どちらがふさわしいか決まる場合もある。

 しかし、この2種の止め方を混用しないようにする。なるほど、2種の止め方を使った優れた文章はある。ただ、このような文章を書くにはかなりの力が必要である。止め方はどちらかに統一したほうがよい。

〔3〕文の止め方は単調でないか

 「(で)ある体」の文末は、「読む」「読んだ」「読んでいる」「読むにちがいない」のように多様である。だから、止め方に変化がつけやすい。「~(で)ある」が何度も続いて、文末が単調にならないようにする。

〔4〕迷ったら削る

 削るかどうかで迷う部分の多くは、読み手にとって不要な情報や表現が重複した箇所などである。

〔5〕文章はうまく流れているか

 一気に書き上げた場合でも、文章の流れが滞ることがある。何日にもわたって書き続けた文章なら、なおさらである。

〔6〕数値にまちがいはないか

 日付・金額・分量などの数値は、参考にした資料があるのなら、再度、その資料を調べて確認する。ただ文章を読んでいるだけでは、数値がまちがっているかどうかは、なかなかわからない。

〔7〕誤字・脱字はないか

 文章の前後(内容)を忘れて「文字の形を追う」ことを心がけると、文字自身の誤りは見つけやすくなる。

 自分の書いた文章は、一つ一つの文字(ことば)を追いながら読んではいない。当たり前のことだが、文章の内容を知ってしまっているからである。そのため、誤りがあっても補って読んでしまう。

〔8〕時間をおいて見直す

 すぐに推敲を始めても、自分の都合のよいように読んでしまうことが多い。

〔9〕他の人に読んでもらう

 できれば、他の人に読んでもらえるとよい。読み手にとってわかりやすい文章が、私たちの目標だからである。

(『ことばの知識百科』三省堂刊より)