ことば百科

文章の書き方・ととのえ方

18, 表現の強め方

  1. 語順を変える
  2. 語句を倒置する
  3. 問いかけや呼びかけの形にする

 適切な強調は読み手の共感を得ることができる。ただし、度が過ぎないようにすること。書き手は満足するかもしれないが、読み手はあきれてしまうかもしれない。

語順を変える

 通常の語の並びをひっくり返す方法である。

【基本例】

きのう私は山田君と川へ釣りに行った。

【書き換えた例】

  1. 私が山田君と川へ釣りに行ったのは、きのうだった。←行った日の強調。
  2. きのう山田君と川へ釣りに行ったのは、私だった。←山田君といっしょに行った人の強調。
  3. きのう私が川へ釣りに行ったのは、山田君とだった。←私がいっしょに行った人の強調。
  4. きのう私が山田君と川へ行ったのは、釣りのためだった。←きのう何をしに行ったのかの強調。

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語句を倒置する

 文の中の特定の語句を入れ換える方法である。

【基本例】

 もたもたしていないで、早く会社へ行きなさい。

【書き換えた例】

 もたもたしていないで、会社へ行きなさい、早く。

【基本例】

 いつまでも取っておかないで、さっさとそれは捨ててしまいなさい。

【書き換えた例】

 いつまでも取っておかないで、さっさと捨ててしまいなさい、それは。

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問いかけや呼びかけの形にする

 文末を問いかけや呼びかけの形にすると、読み手はその内容に引き込まれるような印象をもつ。書かれた内容を読み手と書き手が共有できる。

【基本例】

 日ごろの自分の行いを反省する。

【書き換えた例】

  1. 日ごろの自分の行いを反省しなくてもよいのだろうか。
  2. 日ごろの自分の行いを反省しようではないか。

 強調の方法には、さらに次のようなものがある。

〔1〕二重否定も強調の方法の一つである。

【基本例】

 この感動を日記に書いた。

【書き換えた例】

 この感動を日記に書かないではいられなかった。

 しかし、実用的な文章では、誤解を避けるためにも、避けたほうがよい(14 避ける」を参照)。

〔2〕文末を「~のだ(のです)」として、強調する方法もある。ただ、文章の流れを妨げることが多いので、用いないほうがよい。

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(『ことばの知識百科』三省堂刊より)