辞書凡例

新明解国語辞典 第七版

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さらに新しさを求めて(第七版 序)

「絆」という言葉を最近よく耳にする。これは、あの三月十一日の東日本大震災で被災された方々の口から発せられるものである。震災後、人と人との結びつきの重要性、換言するなら、一体感、連帯意識の持つ意義を痛感させられたといった文脈で、「絆」の果たす役割が意識されるようになったというのである。悲しみや苦しみを分かち合い、共に手を携え、未来に向かって光を求め、明日へ向けて前進しようとするために欠かせない「絆」意識は、行動を通して確かめ合い、態度や表情で伝え合うことも可能であろうが、言葉の力によって確固たるものになるのではなかろうか。
一方、最近の若い世代にみられる社会的な風潮‐少数の言葉に多義的な意味を負わせ、何ごとによらず、「すごい」「ヤバイ」などで済まそうとする‐をみると、生活様式が画一化し、行動形態がマニュアル化されたかのような時代になったからだなどと、暖気(ノンキ)に構えてはいられない衝動に駆られる。このままでは日本語は衰退するばかりではないのかといった不安からである。
こうした危機感を背景に、日本語の可能性を探り、的確な理解を深め、適切な表現をひきだす拠(ヨ)り所となることを願って、今ここに『新明解国語辞典』の第七版を上梓(ジヨウシ)する運びとなった。
今回の第七版では、情意・感覚を表わす形容詞を中心に、見出し語の語釈に入念な手直しを加え、また、用例をより時代に即したものに改めるなどした。第六版から設けた[運用]欄についても、取り上げる項目を増やし、解説に意を用いて内容の一層の充実を図った。
第七版の特徴として取り上げるべきは、新たに[文法]欄を設けたことである。文法情報は、個個の見出し語の文法的な特質に応じてすでに記載されている‐品詞表示、動詞の活用の型や自他の類別、漢語名詞のサ変動詞用法の有無など‐が、それらに加えて今回新設した[文法]欄には、助詞・助動詞の接続に関する情報を始め、文法上の問題となる諸事項を煩をいとわずに記載した。中でも特筆すべきは、日常見落とされがちな文法にかかわる事象について、平明な解説を心がけた点である。
例えば、「…かもしれない」という一種の推量判断を表す形式について、外国人に日本語を教える教師の中には、ある事柄の実現する可能性がフィフティフィフティであるなどと説明して事足れりと安易に信じている者もいるが、これを確率が五〇パーセントなどと解したら、とんでもない誤りである。単に、ある事柄の実現する可能性を否定できないと言っているだけで、確率の問題としてみれば、ゼロに近い状態から九九パーセントを超える場合まで、幅広く用いることができる表現形式であるといったことを説明している。
「…なければならない」と「…なければいけない」の違いや、「見える」と「見られる(可能)」、「聞こえる」と「聞ける」の異同などについても適切な説明をほどこした。
ところで、今回も新たに一〇〇〇語を増補した。その多くは外来語や和製英語である。カタカナ表記の語が増え続けるのも、日本語の将来像を思い描くと看過できない問題であるが、辞書編集者の立場からは事態をもうしばらくは静観せざるをえないだろう。
何はともあれ、本辞書が江湖の迎えるところとなることを期待してやまない。
二〇一一年一一月一日
編集委員会代表 倉持保男
編集方針

この辞典は、現代の言語生活において最も普通に用いられる日本語について、その多岐にわたる用法を種種の角度から分析・検討し、的確な理解の一助となるとともに、適切・効果的な使用が可能であることを念じて編集された。

見出し語

一 採録方針
いわゆる自明合成語・擬音語は多く省略に従った。また、動詞とその名詞形との間に大きな用法の違いの無いものや、形容詞および いわゆる形容動詞に基づく派生形(━さ━み━げ━がる)も、ごく一部を除いては、語釈の末尾に のラベルを付けて示すのみにとどめ、別掲しなかった。
二 重要語
三四三四に **  * の印を付けた 。
三 字音語の造語成分
見出し語に (造語成分) と付記している。

語釈

表記される漢字の単なる説明およびいわゆる堂堂めぐりを極力排し、文の形による語義の解明を大方針とした。
一 語義の分類
無意義な細分化を避け、大分類に従った。文脈に即した意味は、用例のあとの〔=…〕の形によって簡潔に示した。
二 語義の配列
語義は、現代日本語において通常使用されているものに着目し、頻度の高いものから低いものへ、一般的なものから特殊なものへという方向によることを原則とした。古義・原義で、意味の理解に有効なものは、語源として冒頭に注した。
三 類義語の弁別
漢語的表現・和語的表現・古風な表現・口頭的表現 などの術語によって類義語間の用法の相違を記述した。
四 語義の補足的説明
語釈に先立って、語源・位相を示すとともに、語の使用場面などについての限定を知らせることに努めた。外来語のスペリングも語源扱いとした。原語の意味を注記したものも少なくない。
例、
サイダー1〔cider=りんご酒〕…
本義と異なる広義・狭義の用法および転義などに関する補足的説明を語釈の末尾に施した。
五 語の運用に関する情報
運用 欄を設け、日常会話に用いられる表現に関する運用上の情報を示した。待遇表現にかかわる用法を中心に、必ずしもその語の一般的な意味とは一致しない側面や含意された意味を取り出し、対人関係にもたらすプラス・マイナス両面の表現効果を、具体的な用法を明示しながら解説を行なった。
六 語の文法に関する情報
文法 欄を設け、助詞・助動詞に関する情報、受給表現の体系性、表現主体の判断を表わす形式の種種相その他、文法的側面から見て類義的だととらえられる用法の異同などを中心に、文法の理解に効果的だと考えられる事項を重点的に取り上げ、その要点を簡潔に記した。
七 かぞえ方
実際の使用例から採集した物のかぞえ方を、かぞえ方 欄に示した。
細則

見出しの表記と体裁

1. 
和語・字音語は ひらがなで表記した。
2. 
外来語はカタカナで表記した。 ただし、慣用久しきに及ぶ約十語は準和語扱いとした。
なお、1は 「現代仮名遣い」(平成二二年一一月三〇日内閣告示)に、2は 「外来語の表記」(平成三年六月二八日内閣告示)に従うことを旨とした。
3. 
あいき どう【合気道】・ねがわく は【願わくは】等におけるカタカナ小字は、本行(ホンギヨウ)の1に対応する表音式表記である。
4. 
一見出しの区分は原則として二区分とした。助詞 「の・つ」を介するものは助詞までを上位に扱った。また、促音・撥(ハツ)音が添加された口頭語形は、促音・撥音を含む部分までを上位とし、それ以下を下位として扱った。
例、
けっ とば・す【蹴っ飛(ば)す】
まん まる【真(ん)丸】
なお、区分は、現代の言語意識に即して行ない、必ずしも語源にまでは さかのぼらない。起源における区分は、語源欄に注した。
5. 
二字の漢字で表わされる見出しでも、動植物名・固有名詞および借字によるもの(仏教語の音訳や万葉がなによる国名の表記を含む)は区分を設けなかったものが多い。
6. 
活用語は原則として終止形で掲げ、語幹と語尾に分けられるものは、その間に「・」を入れた。

見出しの配列

7. 
五十音順による。同一のかなの中では、清音・濁音・半濁音、また促音・拗(ヨウ)音→直音の順序に従った。
8. 
「ー」をもって表わす外来語の長音は、直前の母音がア・イ・ウ・エ・オのいずれであるかによって、それぞれの音を表わす かなに置きかえた位置に配列した。
9. 
同音語は次の順位で配列した。
(1) 
記号→造語成分→接辞(接頭語・接尾語)→単純語→複合語〔語の性質・構成〕
(2) 
助詞→助動詞→感動詞→接続詞→副詞→連体詞→用言(動詞・形容詞)→名詞(代名詞はその直前)〔品詞の区分〕
(3) 
かな→漢字〔表記〕
(4) 
外来語→字音語(同音の漢字は画数順。同画数のものは、康熙コウキ字典の順。康熙字典に見えない字体は、同画の最初)→和語 〔語の種類〕
(5) 
ハ イシャ 歯医者→ハイ シャ 拝謝・配車・敗者
カ・エル(代える・変える)→カエ・ル(反る・返る・孵る)
のように、上位の拍数の少ないものから多いものへと配列した。〔同一品詞に属する同拍数の語の区分〕
10. 
共通の成分でくくられる同音語、および語源の異なる同形の外来語などを便宜    で統合し、スペースの倹約を図った。
例、
しゅ せき0  【主席】……。   【首席】
かわ・く2(自五)  【乾く】……。   【渇く】……。
あつ・い2(形)  【熱い】……。   【暑い】……。
ソース1  〔sauce〕……。   〔source〕……。

子見出し

11. 
同根を統合する範囲は、外来語(梵ボン語の音訳を除く)は四拍以上、字音語は複合語見出しに限り、また、和語は三拍以上に限る。
12. 
慣用句・ことわざの類は【 】で囲み、共通部分は━で略示した (活用語の場合は、語幹までを)。
13. 
複合語については 共通部分を、かな見出しでは━、【 】内の表記では―で略示した。
例、
こころ23【心】……。  ━あたたま・る72-4【―温まる】(自五)……  ━ある4【―有る】(連体)……  ━いき04【―意気】……  ━え ちがい5―チガヒ【―得違(い)】……  ━おきなく6【―置(き)無く】(副)……  ━づかい4―ヅカヒ【―遣(い)】―する……
し ぜん0【自然】……  ━かい2【―界】……  ━かがく4―クワ―【―科学】……  ━はっせい てき0【―発生的】―な―に……

アクセントの指示

14. 
単語として独立の用法を持つ すべての見出し語についてアクセントを示した。見出しの直下、 で囲んで示したアラビア数字がアクセント記号である 〔⇒「アクセント表示について」〕。
15. 
単独の見出しを掲げなかった語のアクセントは、言い換えなどをしたその所において示すことを原則とした。

歴史的かなづかいの指示

16. 
アクセントに続けて、小字・カタカナで歴史的かなづかいを示した。複合語の場合は、当該部分だけのカナを示して他は―で省記した、
例、
あいだ0アヒダ【間】   あい ちょう0―テウ【哀調】   そう0サウヰ【相違】・サウ―【相異】

見出し語の表記法

17. 
【 】の中に、 「常用漢字表」 (平成二二年一一月三〇日内閣告示)に依拠しつつその語の 「表記法」を示した (ただし、かな表記を普通とするものの場合は省略)。ここで言う 「表記法」とは、漢字かな交じり文中における漢字を主体とする表記の、一般に行なわれるものを指す。標準的とされる表記や一般に行なわれている表記が複数あると認められる場合には、それらの程度に従って上下に併記する。
18. 
表記法欄のほかに表記 欄を設け、そこに本来的な表記・古来の表記・慣用的な表記・代用字などを適宜記した。
19. 
ローマ字で書くことが普通であるものも、この欄に示した。
例、
アイ エル オー【ILO】
20. 
学習用の漢字は教科書体活字によって示し、常用漢字表外の字には〈 を付けた。二字以上に連続して同じ事を示す場合は〈 〉 で包んで示した。
21. 
常用漢字表にあっても本表に無い訓読みをする場合は、当該の文字に《 を付けた。
22. 
二字以上の漢字を常用するもののうち、訓(ヨ)みに問題のある語について、
(1) 
熟字の各字が日本語の複合語の各成分と一対一対応を示さないものについては、当該部分を{ }で囲み、常用漢字表の付表に掲げられている語の常用例は表記法欄に〔a〕、然らざるものは表記 欄に〔b〕のように示した。
a. 
あす【{明日}】……表記 ⇒付表
b. 
つづらおり……表記 「{九十九}折」とも書く。
なお、bの外縁に「漢語表記」「…は義訓」と特に注記した一類〔c〕がある。難読性の高いcは、今日 表記一般として万人に求められるものではないが、広汎(コウハン)な読書のためには有用な知識と考え、この欄に注記した。
(2) 
付表に掲げられている語でも、一対一対応をなすものと認められる語は、他の語と同じように、一字ごとに本書の一般原則を適用した上で、表記 欄に 付表にその語例が載っている旨を注記した。
でこ ぼこ【《凸《凹】……表記 ⇒付表「凸凹」
とも だち【友《達】……表記 ⇒付表「友達」。「《達」は、借字。

品詞などの指示

23. 
【 】の直下に(かな表記のものは見出し、またはアクセントの直下に)、名詞以外の品詞名を( )に包んで示した。
24. 
品詞以外で( )を用いたものは次のごとくである、
(造語) 造語成分
(接頭) 接頭語
(接尾) 接尾語
(略)  略語
〔参考〕本辞書では品詞表示に相当する述語として「連語」という語は一切 用いなかった。また、形式が固定的なものを除いては「連語」に相当する見出しにはアクセント表示を行なわなかった。
25. 
名詞・副詞のうち、サ変動詞またはいわゆる形容動詞としての用法を併せ有するものは次のごとく扱った。
―する 名詞のほかにサ変動詞の用法
―な―に 名詞のほかに連体形に 「な」、連用形に 「に」の用法
―な 上のうち、一般には連体形の用法だけのもの
―たる―と 名詞のほかに連体形に 「たる」、連用形に 「と」の用法
―と 上のうち、一般には連用形の用法だけのもの
―な―する 名詞のほかにダ活用形容動詞とサ変動詞の用法
―と―する 名詞のほかにタルト活用形容動詞とサ変動詞の用法
ただし、上の用法は雅馴(ガジユン)と認められるものに限り、網羅を宗とはしなかった。
26. 
動詞は活用の種類と自他の区別を示した。サ変動詞のうち25に関するものについても同様である。補助動詞は 「て」「で」を介するものだけに限り、他は 〔「動詞連用形+―」の形で、接尾語的に〕などの注記の形で示した、
例、
あ・う【合う】  (自五)…  〔「動詞連用形+―」の形で、接尾語的に〕…
27. 
複合語構成要素としての動詞連用形は利用者の便を図って、動詞連用形の名詞用法と同じ見出しで扱い、以下のように区分した。
例、
あそび【遊び】  ……  (造語)動詞「遊ぶ」の連用形。……
また、動詞「遊ぶ」の項の末尾からは、名詞用法の見出しを参照させた。
例、
あそ・ぶ【遊ぶ】……[⇒遊び
28. 
助詞は、格助詞・副助詞・接続助詞・終助詞の四種に分けた。
29. 
多義語の意味区分
(1) 
多義語の意味区分は、漢数字の などによって表示することを原則とした。
(2) 
漢数字によって区分された意味項目と対立するほどの意味の差異は認めがたいが、同一の意味項目の中で扱うには難があると判断されるものについては、 の下位区分としてA B など、大文字のアルファベットを用いて区分した。
(3) 
漢数字による区分を欠き、始めからA B などの区分を用いたものもある。それは、A を基本とし、B (以下)はその比喩的転用などによって派生した意味だと解される用法であり、意味を構成する諸要素の多くをA と共有し、A の意味理解が前提となって、その用法の的確な理解が期待される類のものである。

動詞を述語とする文の基本構文の型

30. 
文の意味の的確な理解を図るとともに、表現面への応用に役立つことを意図し、重要度の高い動詞項目について、それを述語とする文の基本構文の型を記載した。すなわち、重要語の指示 **  * を付した動詞項目および―するの形式で動詞としての用法のあることを示した名詞について、これら動詞を述語とする文を構成する上で必須の要素である 名詞(句)+格助詞 を一定の方式に従って〈  〉に入れ、構文の型を示した。語釈の意味区分の有無にかかわりなくすべての語釈に適用される場合は自他の別・活用の種類を示した直後に、そうでない場合は 等の直後に掲げた。また、二つの形式がある場合は〈/〉によって示した、
例、
(他五)〈なに―〉
〈なに―〉…  〈だれ―/だれ―〉
―する〈だれ―する〉
(―は見出し語に該当する動詞または名詞を示す)
なお、この基本構文の型は **  * を付した形容詞に関しても表示した、
例、
〈なに―〉(「明るい」の項)
記載の方針は概(オオム)ね以下の通りである。
(1) 
文構成上必須の要素と考えられる格助詞をヲ・ニ・デ・ト・カラ・マデに限った。
(2) 
動作・作用や存在、性質・状態等の主体を表わす「ガ」(「鳥ガ鳴く」「犬ガいる」「空ガ青い」)は動詞を述語とするすべての文に必須の要素であることから敢(ア)えて示さなかった。また、動作性の意味を持つ動詞を述語とする文においては、表現には必ずしも反映されない場合でも、潜在的には存在する要素である、動作・作用の行われる場所を表わす「デ」(「学校デ勉強する」)も同じ理由で示さなかった。従って、本辞書に示したデは方法・手段等を表わす用法(「電車デ行く」「木デ作る」)に限られる。
なお、動作・作用を向ける対象を表わすヲ(「紙ヲ切る」)と移動性の動作の経路や通過点を表わすヲ(「空ヲ飛ぶ」)とを形式的に区別することはしなかった。
(3) 
格助詞に前接する名詞(句)はその意味の特徴から だれ・なに・どこ・なんだ の四種に区分した。
だれ……人または人に準ずるものを表わす名詞(句)
例、
〈だれ―/だれ―〉(「会う 」の項)
なに……前記の だれ に該当しない事物・事柄・時などを表わす名詞(句)
例、
〈(なに)なに―〉(「暖める 」の項)
どこ……場所・位置や物の部分などを表わす名詞(句)
例、
〈どこ―〉(「居る」の項)
なんだ…発言・思考・意志・感情などの内容を表わす句
例、
〈なに/(なに)なんだ―〉(「考える 」の項)
(4) 
移動性動作を表わす動詞を述語とする文における移動の方向を表わす「ヘ」(「北ヘ向かう」)を必須の要素とする文では、同時に到達点を表わす「ニ」(「北ニ向かう」)も必須の要素となる場合が大多数を占めるので、本辞書ではすべて〈どこ―〉の形式によって代表させた。
(5) 
名詞(句)の区分のうち、 なんだ はすべて〈なんだ―〉の形式でのみ示した。これによって、動作を向ける相手などを示す〈だれ―〉などの「ト」との文法的機能の違いが判別される。
(6) 
文脈上の制約などにより、必ずしも必須の要素とはならない用法のあるものについてはそれを( )にくくって示した、 〈(なに)―〉(「沸く 」の項)

位相などの指示

31. 
次の二種のほかは、〔野球で〕〔すもうで〕〔仏教で〕〔数学で〕〔…方言〕のごとく具体的に使用域を示した。
〔雅〕
雅語。日常のくだけた会話や文章には常用されず、短歌・俳句などの詩的表現や文語文に多く用いられる和語。
〔古〕
古語。和文脈の古典や漢文訓読系統の古風な文章語としてしか用いられないものや、江戸時代までは日常語として行なわれた字音語など。

語釈の表記

32. 
常用漢字に収められている漢字はそれを用いることを原則とした。
例、
(一) 
文中における動植物名は多くカタカナ書きにした。
(二) 
外字および難読字には( )内に、カタカナを用い一行で訓(ヨ)みを示した。
33. 
取り扱いに問題のある送り仮名について。
史的に見れば、送り仮名は、誤読を避けるため漢字の傍らに随時小書きしたもので、一貫した理法など元来 存しない。
しかしながら、規範を生命とする辞書の場合、全くの無方針を避けるとすると、結局 常識の範囲内で多く送るもの〔a〕と、比較的少なく送るもの〔b〕との別があることを指摘した上で、そのうち、多く送る部分については( )を以て示すことが親切であると考えた。
以下、「送り仮名の付け方」(昭和四八年内閣告示第二号、平成二二年内閣告示第三号一部改正)との関連について示す。
(1) 
a が「送り仮名の付け方」の本則と一致するものは注記を施さない。
(2) 
b が本則と一致するものは、語釈の末尾にその旨注記する、
【汚(な)い】…表記 本表=「汚い」   【下(だ)る】…表記 本表=「下る」
【行(な)う】…表記 本表=「行う」   【上(ぼ)る】…表記 本表=「上る」
なお、本表とは、常用漢字表の本表を指す。
(3) 
a が「送り仮名の付け方」の例外と一致する場合は、その旨注記する、
【幸(い)】…表記 例外=「幸い」   【幸(せ)】…表記 例外=「幸せ」
(4) 
複合の名詞のうち慣用として送り仮名を付けない、とされている語は、その趣旨を生かし b のみを示した。
【合間】・【並木】・【巻紙】・【字引】・【乗組員】
これに基づき、例えば 「家並・町並・人並・十人並」などにも 「並木」と同じ方法を適用した。
(5) 
複合語の上位が かな書きの場合、下位の表記は多く a に従った。
(6) 
常用漢字以外を使用する見出しについても上記を準用した。

読み替えのための記号

(1) 
…(…)、…(…)…
例、
おう れつ0ワウ―【横列】―する (自サ) 横に並ぶこと(並んだ列)。
 ** あが・る【上(が)る】  0(自五)… 〈(なにカラなに)―〉程度や段階が今より高い状態になる。「成績(地位・人気)が―/…」=成績が上がる。地位が上がる。人気が上がる。
(2) 
…(…)
例、
いっ ぽ1【一歩】 歩くため片方の足を一回前へ出すこと(により進む距離)。…=歩くため片方の足を一回前へ出すこと。歩くため片方の足を一回前へ出すことにより進む距離。
ちか ちか12(副)―と―する 光が(せわしなく)明滅する様子。…=光が明滅する様子。光がせわしなく明滅する様子。
記号・略語表

説明用記号

/ ・用例中、文例・句例の区切り、語例の区切りなどを示す。
━ ―見出し語の略示
⇒ ……を参照せよ
←……から来た、…の略
⇔…対義語は…
… ・ ……および…、…や…
▵a(…b……a、……b
▵a(…b)…a…、…b… 参照「編集方針」
a(…ba、…ab 参照「編集方針」
〔…〕語原、熟語の構成、語釈の補足的説明。
〔=…〕用語・用例の説明。

説明用略号

(造語)造語成分
(接頭)接頭語
(接尾)接尾語
(略)略語
〔雅〕雅語
〔古〕古語
名詞形は…
動詞形は…
自動 自動詞形は…
他動 他動詞形は…
派生形は…

活用略語

<* は雅語だけ>
(カ)カ行変格活用
(上一)上一段活用
*(上二)上二段活用
*(ク)形容詞のク活用
(五)五段活用
(サ)サ行変格活用
*(シク)形容詞のシク活用
(下一)下一段活用
*(下二)下二段活用
*(四)四段活用
*(ナ)ナ行変格活用
*(ラ)ラ行変格活用
(特殊)助動詞のうち、上記のいずれの型にも属さないもの
―するサ変動詞
―たる―とタルト型活用形容動詞
―な―にダ型活用形容動詞
〔注意〕助動詞・接辞の活用は、「型」を付けて示した。

品詞略語

(格助)格助詞
(感)感動詞
(形)形容詞
(自)自動詞
(終助)終助詞
(助動)助動詞
(接)接続詞
(接助)接続助詞
(他)他動詞
(代)代名詞
(副)副詞
(副助)副助詞
(連体)連体詞
無表記名詞と、いわゆる連語・句

原語名略号

イタリア語
オランダ語
古典ギリシャ語
スペイン語
ドイツ語
フランス語
ポルトガル語
ラテン語
ロシア語
無表記英語
〔注意〕上 以外は、それぞれの言語名を示した。

常用漢字表「付表」

あす明日
あずき小豆
あま海女
海士
いおう硫黄
いくじ意気地
いなか田舎
いぶき息吹
うなばら海原
うば乳母
うわき浮気
うわつく浮つく
えがお笑顔
おじ叔父
伯父
おとな大人
おとめ乙女
おば叔母
伯母
おまわりさんお巡りさん
おみきお神酒
おもや母屋
母家
かあさん母さん
かぐら神楽
かし河岸
かじ鍛冶
かぜ風邪
かたず固唾
かな仮名
かや蚊帳
かわせ為替
かわら河原
川原
きのう昨日
きょう今日
くだもの果物
くろうと玄人
けさ今朝
けしき景色
ここち心地
こじ居士
ことし今年
さおとめ早乙女
ざこ雑魚
さじき桟敷
さしつかえる差し支える
さつき五月
さなえ早苗
さみだれ五月雨
しぐれ時雨
しっぽ尻尾
しない竹刀
しにせ老舗
しばふ芝生
しみず清水
しゃみせん三味線
じゃり砂利
じゅず数珠
じょうず上手
しらが白髪
しろうと素人
しわす師走
(「しはす」とも言う。)
すきや数寄屋
数奇屋
すもう相撲
ぞうり草履
だし山車
たち太刀
たちのく立ち退く
たなばた七夕
たび足袋
ちご稚児
ついたち一日
つきやま築山
つゆ梅雨
でこぼこ凸凹
てつだう手伝う
てんません伝馬船
とあみ投網
とうさん父さん
とえはたえ十重二十重
どきょう読経
とけい時計
ともだち友達
なこうど仲人
なごり名残
なだれ雪崩
にいさん兄さん
ねえさん姉さん
のら野良
のりと祝詞
はかせ博士
はたち二十
二十歳
はつか二十日
はとば波止場
ひとり一人
ひより日和
ふたり二人
ふつか二日
ふぶき吹雪
へた下手
へや部屋
まいご迷子
まじめ真面目
まっか真っ赤
まっさお真っ青
みやげ土産
むすこ息子
めがね眼鏡
もさ猛者
もみじ紅葉
もめん木綿
もより最寄り
やおちょう八百長
やおや八百屋
やまと大和
やよい弥生
ゆかた浴衣
ゆくえ行方
よせ寄席
わこうど若人