ことば百科

文章の書き方・ととのえ方

4, 文章の型を選ぶ

  1. 叙述型
  2. 逆三角形型

 漫然と文章を書いてはいけない。文章の構成を考える必要がある。文章の種類に応じて、ふさわしい文章の型がある。

叙述型

 序論→本論→結論と進む構成が叙述型である。論文の構成がこの典型である。

 「結論」には、筆者の最も主張したい事がらが述べられる。それでは、「結論」を最初にもってくるべきではないかということになるが、そうではない。なぜなら、論文は「論証の文」だからである。

 主題と問題点を提示する(序論)。
   ↓
 反論を予測しながら問題点に検討を加え、論証を重ねる(本論)。
   ↓
 論証をふまえて結論を導く(結論)。

このように、「結論」はそれまでの積み重ねのうえに成り立つ。もしも、問題点の検討に不備があったり、「序論」で提示した問題点が、なんの「問題」でもなかったりしたならば、「結論」は筆者のひとりよがりになり、読み手の共感を得ることはできなくなる。

 叙述型の文章では、結論もさることながら、それに行き着くまでの展開が重要なのである。

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逆三角形型

 結論→説明→補足説明と進む構成が逆三角形型である。新聞記事やビジネス文書の構成がこの典型である。

 逆三角形型の文章では、結論が先にくる。これは、叙述型をただひっくり返したということではない。叙述型と最も異なるのは、逆三角形型では、論証(証明)が不要なことである。言い換えれば、論証が不要な文章に、この型は適している。

【新聞記事の例】

 ××議会は11日、欧州連合(EU)加盟に関する条約を賛成多数で批准した。(結論) これにより××側の加盟手続きが終了、同国は来年1月1日からのEU加盟が事実上確定した。(説明) EU拡大のなかで来年1月からの新規加盟を見込んでいる4か国のうち加盟を正式決定したのは××が初めて。××は先の6月の国民投票で3分の2以上の多数で支持された。(補足説明)

【書き換えの例】

 欧州連合(EU)拡大のなかで来年1月からの新規加盟を見込んでいる4か国のうち××は、先の6月の国民投票で3分の2以上の多数で加盟が支持された。その後、加盟手続きを終了させるために、××議会は11日、EU加盟に関する条約を賛成多数で批准した。この結果、××は来年1月1日からのEU加盟を、4か国のうち初めて事実上確定させた。

 時間の順序に従って書き換えると、このようになる。しかし、これでは伝えたいポイントが明瞭でない。証明を必要としない、事実を伝える文章では、逆三角形型がよい。

[「伝達・説得的な文章の書き方」〈報道文の書き方〉を参照]

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(『ことばの知識百科』三省堂刊より)