今日のことば

6月30日

何分にも
何分(なにぶん)にも 《慣》


[注記] 「何分」を強調した言い方

(1)いろいろな観点からとらえることができるだろうが、その点だけは変わることがないという気持ちを表わす。

「何分にも年寄りの言うことだから、許してやってほしい」

(2)事情を察した上での配慮を相手に期待する気持ちを表わす。

「何分にも我々を助けると思って一つよろしくお願いします」
草を結ぶ
草(くさ)を結(むす)ぶ


[出典] 〈左伝(さでん)・宣公(せんこう)十五年〉

死後に恩に報いること。春秋時代、晋(しん)の魏顆(ぎか)は魏武子(ぎぶし)の子であった。武子に妾(めかけ)があったが、子はなかった。武子が病んだ時、武子は魏顆に、自分が死んだら妾を他に嫁にやれと言った。後に武子が危篤になった時、武子はこの妾を殺して自分の葬に殉ぜしめよと言った。武子が死んだ時、魏顆は父の正気の時の遺言に従うと言って、妾を他に嫁せしめた。その後、晋は秦(しん)と戦った。輔氏(ほし)という所で一人の老人が草を結んで、秦の勇将の杜回(とかい)を禦(ふせ)いでいた。杜回は、老人の結んだ草につまずいて倒れ、魏顆は杜回を討ち取って秦軍を破った。後にその老人が顆の夢に現われ、自分はあの妾の父である、君が先君の正気の時の命に従って娘を助けてくれたので、その恩に報いたのである、と語った。

[参考] 李密(りみつ)の「陳情(ちんじょう)の表(ひょう)」に「臣、生きては当(まさ)に首(こうべ)を隕(おと)すべく、死しては当に草を結ぶべし」とある。





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