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デイリーコンサイス中日辞典

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第二版 序

本辞典は1998年4月に誕生して以来,ひろく世の支持を得た.漢語を学ぶ人びとからばかりでなく,教える側の人びとからも,好意ある評価と励ましを受けた.全ページを丹念に読んで,誤字誤植を細かく指摘してくださった方をはじめ,多くの読者諸氏から温い指摘を頂戴している.編者にとって至上の喜びである.評価や激励は,内容をより充実させよという鞭撻にほかならない.生きた社会の生きた言語と向きあう辞典にとって,停滞は自滅を待つに等しい.
第一版刊行に際して,われわれは以下のような「序」を述べた.
外国語を学ぶ者の立場から言えば,辞典には不満が数々ある.誰しも2度や3度は辞典を罵った覚えがあろう.不満とは言いかえれば注文である.外国文献を前にして,心に生じるさまざまな疑問に,たちどころに答えてほしくなるのである.
単語の意味,発音から始まって,その単語がこれこれの語と結びつくか否か,これこれの場面で使えるか否か,これこれと言いかえてよいか否か,その社会で聞く者の心にどういう感情をひき起こすか,等々,疑問は連鎖的に生まれ,ひろがってゆく.1冊の辞典がそうした疑問をすべて解明してくれるなら,これほど便利なことはない.
だがそういう魔法は望むべくもない.辞典は,限られた紙幅に限られた情報を提供して,それぞれの特色を出すにとどまるだろう.
本辞典はご覧の通りの小型である.小型ではあるが「小而精」であることを目指した.机上に置く大部の辞典に比べれば,情報量は遠く及ばないが,随時携帯できる便利さに加えて,情報の質を選び,かつ機能面で幾つか工夫をこらした.(中略)
本辞典は以下の点にとくに意を注いだ.
第1に,個々の漢字が単独で1語となりうるか,すなわち単用しうるか,それとも他の字と結びついてはじめて1語となりうるか,すなわち語素であるかの区別を明確に示した.1字の語義の中でも,単用しうる語義と単用しえない語義とを区別した.
第2に,原義に即して品詞を示した.
第3に,用例は極力短くするようつとめたうえで,それが単語ないし複合語であるか,句ないし文であるかを区別した.
第4に,形容詞のうち主として述語となる形容詞,主として修飾語となる形容詞について語義に先立ちその旨を明記するなど,用法上の注意を可能なかぎり加えた.
そのほか,限られた紙幅をより有効に使うべく工夫をこらしたつもりである.上記のうち第1点は,すでに幾つかの辞典で試みられているが,本辞典はそれを積極的に示した.もちろんことばは生きものであり,時と場合で変化する.上記のような区別も絶対のものではなく,あくまでひとつの目安であるにすぎない.しかも編者の力量の範囲内での目安であることは言うまでもない.だが利用者の前進に有用な目安であると編者は考えている.
本辞典が幸いにして多くの読者を得,貴重なご批判,ご叱正を得られるよう,そして内容をたえず向上させてゆけるよう,編者は切に願っている.
言うまでもないことながら,先行する幾つもの中国語辞典(日中・中日)からは多大の教示を得ている.いちいち名は挙げないが,あらためて感謝する.
本辞典は原稿作成に際して以下の方々の参加を得た.
小川利康,岡崎由美,鈴木健之,内藤正子,山崎直樹
また和平女史にはインフォーマントとして終始一貫ご協力いただいた.
三省堂で編集を担当されたのは篠田益實,野村良平のお二人である.編者の作業が遅延して,ずいぶんとご苦労を背負わせた.造事務所の面代真樹,堤弘次のお二人には編集作業でお世話になり,また劉迪氏にも中国人の目からする貴重な助言を頂戴した.
以上の方々に深く感謝する.
第一版から満7年を経たいま,われわれは改訂を進めることにした.もちろん小型辞典の制約の中での作業であるから,改訂は小幅に止まらざるをえないのであるが,それでも,
①親字を約 800 字増やして,人名,地名,さらには方言や文言にも対応できるようにした.
②新語を中心に,語彙を一定程度増やして,多少ともより新たな現実に対応できるよう考慮した.
③二色刷りにして見やすくした.
④部首索引が検索しやすくなるよう,文字の配置を増やした.
こうした工夫によって,読者の利便性が増していること,そして,第一版に勝る支持が得られることをわれわれは念じている.
三省堂で編集を担当されたのは,野村良平,近山昌子のお二人である.今回もまたご苦労をかけた.
2004年10月
編者一同
凡例

Ⅰ. 親字について

1.
親字は簡体字を基本として,そのローマ字表記のアルファベット順に配列した.親字に異体字がある場合と,親字が簡体字である場合には,( )内に異体字および繁体字を示した.
2.
「词」に対する「詞」,「铜」に対する「銅」など,偏旁のみが異なる繁体字も( )に示してある.ただし,「⾓」に対する「角」などは記していない.また,異体字に簡体字と繁体字がある場合は簡体字のみ示した.
3.
単用される親字(一字で単語となりうる親字)は【 】で囲った.単用できない字は〖 〗で囲い,更に 印をつけた.この点は本辞典が,特に意を注いだところである.〖 〗で囲った親字は現代語ではもっぱら非単用の語素として機能する.すなわち他の語素と組合わさってはじめて単語を形成するということである.その区分は日常的用法を念頭に置いた編者の判断による.この点に関しては,非単用の語素を積極的に明示した『現代漢語学習詞典』,『現代漢語用法詞典』,『Concise Dictionary of Spoken Chinese』(参考図書の項参照)から多大な教示を得た.
4.
【 】で囲んだ親字でも,単用できない語義の場合には,改行して 印を置き,その語義を示した.
5.
「廖」「沪」など,姓あるいは地名の別称や略称は単用語とみなさない.
6.
名詞,動詞,能願動詞,形容詞,副詞,介詞,量詞,数詞,感嘆詞のほか,接続詞,助詞,擬態語,擬声語として働く親字は,本辞典では単用出来る語として扱い,【 】で示した.
7.
個別の字義によって繁体字や異体字が異なる場合,あるいは個別の字義にのみ繁体字や異体字がある場合は,その都度改行し,別項目を立てた.例えば,
lǐ.....
(裏・裡).......
(歷)....
(厤・曆・歷).......
8.
「彷徨」のように分離不可能な場合は,個別の字に語釈を加えず,
「彷」の項で
【彷徨】pánghuáng うろうろ迷う,....と語釈を与え,
「徨」の項では
huáng →[彷〜 pánghuáng] とした.
9.
語頭に使われることが稀れな字(親字として採用していないこともある)については,基本義を記したのち,→[〇〜]で見出し語例を示した.例えば,
钿(鈿)diàn .....→[螺 luó 〜]
このほか親字の語釈の中で,その親字で始まる子見出しを示す場合,時に→[〜〇]を使った.
10.
異読音がある場合は,記述の最後に改行して「⇨〇」と太字で示した.したがって異読音がある場合,同一の親字が複数箇所に現れる.ただし,ほとんど使われていない異読音は,親字として採用していないこともある.
11.
わずかながら“ローマ字で始まる語”がある.

Ⅱ. 子見出しについて

1.
子見出しには単語,連語,成語,俗語(ことわざ,歇後けつご語など)を含み,ローマ字で表記した発音のアルファベット順に配列してある.
2.
発音綴りが同一の場合は第二字の四声の順による.
3.
単語(発音表記が一つの綴りとなる)のほか,連語(例えば「绕圈子 rào quānzi」)にも品詞を記したうえで語義を示した.
4.
同じ漢字表記でも,語義によって声調,発音表記が異なる場合は別項目を立てた.例えば,
【编目】 biānmù  ...
【编目】 biānmù  ...
5.
一語に複数の表記があり,使用頻度に大差がないものは,重複させて見出し語に立てた.例えば,
【叭儿狗(巴儿狗)】 と 【巴儿狗(叭儿狗)】.

Ⅲ. 発音について

1.
発音は漢語拼音字母すなわちローマ字表記で綴って声調符号を加えた.表記は原則として『現代漢語詞典 修訂本』(1996年)に準拠した.
2.
軽声には符号を加えていない.また,「一」「不」の声調は「一定」yídìng,「一起」yìqǐ;「不必」búbì,「不甘」bùgānのように実際の声調に合わせて記した.
3.
一語中のある音が軽声でもよい場合は, / で切って両方を併記した.例えば,
【琵琶】 pípá / pípa.
4.
「3声+軽声」で示しながら,実際には「2声+軽声」で発する場合は,(... と発音)を加えた.例えば,
【哪里】 nǎli(náli と発音)
5.
動賓(動詞+賓語)構造の語で,分離可能な場合は,分離する位置に「」を入れて示した.例えば,
【睡觉】 shuìjiào
【来潮】 láicháo
6.
連語,成語,俗語の発音は意味の単位ごとに分かち書きをした.区切りは『現代漢語詞典 修訂本』に拠るほかは編者の判断とした.
7.
方言語彙については「普通話(共通語)」の読音によって表記してある.

Ⅳ. 語釈について

1.
原則として名詞,動詞,形容詞,副詞,その他の順で記述し,... で語義を分けた.
2.
品詞を特に分ける必要がない場合はのようにまとめて,記述した.
3.
常用の名詞にはできるだけ量詞を示した.しかし,代表的な量詞であって,網羅的ではない.また,「个」を使う場合は示していない.
例:
【河】〔条・道〕川.
【机器】〔架・台〕機械.
4.
「儿」を加えられる語には,(〜儿)で示した.なお,「子」をつけて成り立つ語は別見出しとした.
5.
形容詞の重ね型など「的」を加えて使われるものは,語義の前に(〜的)を置いた.
6.
簡単な補足説明は( )内に記したが,必要に応じて, の後に語法的説明や百科的説明を加えた.
7.
短い語法的注意は〘 〙で示した.例えば,
〘状語として〙〘定語として〙など.
8.
は同意語, は反意語, は関連語を示す.
9.
語釈や説明文中に漢語語彙が入る場合は,‘ ’で囲んだ.例えば,
【汾酒】 .... 山西省汾陽産の‘白酒’ ...
10.
語釈や説明中に見出し語を使う場合は「〜」で代用した.
11.
成語,俗語は基本的に(  >)内に元義を示した.

Ⅴ. 用例について

1.
用例は簡潔を心掛けた.用例が文あるいは句である場合は *.... | で示し,単語,連語,成語である場合は [....] で示して区別した.後者は準見出し語である.
2.
用例中の見出し語は「〜」で代用した.
3.
訳文中に見出し語の語義語釈を使う場合には,「同前」で代用することもある.

Ⅵ. 略語について

略語は以下のように表示する.
1.
品詞...  でくくる.
名詞
動詞
能願動詞
形容詞
副詞
数詞
量詞(度量衡を含む)
代詞
介詞
接続詞
助詞
感嘆詞・間投詞
擬態語・擬声語
接頭辞
接尾辞
2.
語の性格... 《 》で示す.
《成》成語・格言
《書》書面語・文言語・古語
《口》口頭語
《俗》俗語・歇後語・ことわざ
《方》方言
《翰》書簡語
《謙》謙譲語
《敬》敬語・敬称
《挨》挨拶語
《訳》音訳語
《貶》貶義語
《褒》褒義語
《転》転義・比喩
《旧》旧時(主として清末から民国期)の語
《略》略称
《普》(方言に対する)共通語
3.
分野... 〖 〗で示す.
〖化〗化学
〖医〗医学
〖植〗植物
〖動〗動物
〖鉱〗鉱物
〖生〗生物・生理
〖工〗工業・技術
〖機〗機械
〖軍〗軍事
〖宗〗宗教
〖哲〗哲学
〖農〗農業
〖畜〗畜産
〖法〗法律
〖経〗経済
〖商〗商業
〖薬〗薬品・薬学・漢方薬
〖天〗天文・気象
〖映〗映画
〖衣〗衣類・衣服・織物
〖報〗報道
〖演〗演芸
〖数〗数学
〖体〗体育・スポーツ
〖美〗美術
〖音〗音楽
〖地〗地学・地理
〖建〗土木・建築
〖人〗人名
〖史〗歴史
〖理〗物理・理科
〖文〗文学
〖語〗言語・語法
〖民〗民族
〖航〗航空・航海
〖食〗食品・料理
〖印〗印刷
〖交〗交通
〖図〗図書
〖字〗文字
〖魚〗魚類
〖鳥〗鳥類
〖虫〗
〖貝〗
〖電〗電気・電機
4.
レーベルの順序
品詞,(〜儿)(〜的),語の性格,分野,量詞の順で示した.
例:(〜儿)《方》〖植〗〔根〕

Ⅶ. 本辞典について

1.
本辞典は簡体字,繁体字,異体字を含めて約9500字を親字とした.

参考図書

主要なもののみ掲げる.
现代汉语词典(第2版)(中国社会科学院语言研究所词典编辑室;商务印书馆 1983)
同修订本(同;1996)
现代汉语词典补编(同;1989)
现代汉语频率词典(北京语言学院语言教学研究所;北京语言学院出版社 1986)
现代汉语学习词典(孙全洲主编;上海外语教育出版社 1995)
现代汉语用法词典(关龙华主编;江苏少年儿童出版社 1994)
现代汉语辞海(林杏光审定,倪文傑・张卫国・冀小军主编;人民中国出版社 1994)
汉英大辞典(吴光华主编;上海交通大学出版社 1993)
汉英词典(北京外国语学院《汉英词典》编纂组;商务印书馆 1978)
同修订本(北京外国语大学英语系词典组;外语教学与研究出版社 1995)
现代汉语八百词(吕叔湘主编;商务印书馆 1980)
10
中华成语大辞典(向光忠・李行健・刘松筠主编;吉林文史出版社 1986)
11
汉语拼音词汇(1989年 重编本)(《汉语拼音词汇》编写组;语文出版社 1991)
12
俗语五千条(邱崇丙;陝西人民出版社 1983)
13
Concise Dictionary of Spoken Chinese, by Yuen Ren Chao and Lien Sheng Yang, Harvard University Press, 1947; Seventh Printing, 1970
日本で出版された多くの中日辞典についても,いちいち名は挙げないが,多くの教示を得た.

著作権

デイリーコンサイス中日辞典 第2版
編 者
杉本 達夫・牧田 英二・古屋 昭弘 共編
発行者
株式会社 三省堂
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