今日のことば

5月11日

病膏肓に入る
病(やまい)膏肓(こうこう)に入(い)る


[出典] 〈左伝(さでん)・成公(せいこう)十年〉

治る見込みがないほどの重病になる。救済の見込みが全く立たないほどに、悪くなるたとえ。「膏」は、肩胛骨(けんこうこつ)の脊髄側(せきずいがわ)の下部、「肓」は膏のやや下部で外側、薬も鍼(はり)も及ばないところ。病気がそこにあると治らないという。昔、晋(しん)の景公(けいこう)が病んだ時、秦(しん)の名医を呼んで診察させた。医師がまだ到着しないうちに景公が見た夢に、病気が二人の童子となり、その一人が「彼は良医だから恐らくわれわれを害するだろう、どこに隠れたらよかろうか」というと、他の一人が「肓の上、膏の下にいれば鍼も薬も届かない」といった。やがて医師が来て診察し「この病気は、膏肓にあるから治療の道がありません」といったので、景公は名医であると感心し、厚く礼して帰したという故事による。

[原文] 「公疾(やまい)(へい)なり。医を秦(しん)に求む。秦伯(しんぱく)、医(い)(かん)をして之(これ)を為(おさ)めしむ。未(いま)だ至らず。公夢む。疾(やまい)、二豎子(にじゅし)と為(な)りて曰(いわ)く、彼は良医なり。懼(おそ)らくは我を傷つけん。焉(いずく)にか之を逃れん、と。其の一曰く、肓(こう)の上、膏(こう)の下に居(お)らば、我を若何(いかん)せん、と。医至る。曰く、疾は為(おさ)む可(べ)からず。肓の上、膏の下に在り。之を攻むるも可ならず。之に達せんとするも及ばず。薬は至らず。為む可からず、と。公曰く、良医なり、と。厚く之が礼を為して之を帰す」

[注意] 「肓(こう)」は「盲(もう)」とは別字。
愛多ければ憎しみ至る
愛(あい)多(おお)ければ憎(にく)しみ至(いた)る


[出典] 〈亢倉子(こうそうし)・用道(ようどう)

人からかわいがられることが多ければ、必ず他の人から憎まれるようになる。特別な寵愛(ちょうあい)は身の破滅を招くことになるから注意しなければならない。

[原文] 「恩甚(はなは)だしければ則(すなわ)ち怨(うらみ)生じ、愛多ければ則ち憎しみ生ず〔過度の恩愛は人の憎しみを買うもとになる〕」





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