
連載「日本のジェスチャー・世界のジェスチャー」 第1回
連載 「日本のジェスチャー・世界のジェスチャー」 東山 安子
第1回 連載を始めるにあたって
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海外に出かける時、ことばが出来なくても身ぶり手ぶりで通じるという
一面が確かにある一方で、万国共通と思い込んでいる「ジェスチャー」が思わぬ
誤解を引き起こすことも多々あります。このような異文化間でのジェスチャーの
意味や使い方の違いを、20回の連載でご紹介しましょう。
私は長年、ことばによらないコミュニケーションに関心をもってきまし
た。ことばによらないコミュニケーションとは、「身ぶり」、「手ぶり」、「顔
の表情」、「視線」、「話をするときの声の表情」、「間の取り方」、「話をす
るときの相手との距離」、「座席の取り方」、「時間に対する考え方」、「衣服
の選び方」などを含みます。これらは、人と話をするときにことばと同様に、或いはそれ以
上に大切な働きをしています。
私の研究対象は、異文化間の身ぶり・手ぶり・顔の表情が中心で、共同
研究者のローラ・フォードと共に
『日米ボディートーク 身ぶり・表情・しぐさの辞典』 (三省堂)を出版しました。
また、動物行動学者であるデズモンド・モリス(※1)
の著書も
『ボディートーク 世界の身ぶり辞典』 (三省堂)として翻訳し紹介しています。
連載では、この二冊の本を中心に興味深い例をご紹介したいと考えてい
ます。また、長年大学の教壇に立っている間にたくさんのアジアからの留学生と
話をする機会があり、彼ら彼女らが話してくれたジェスチャーの話も織り交ぜて
いく予定です。どうぞお楽しみに。
※1…デズモンド・モリス(Desmond Morris)
イギリス生まれ。動物行動学者。著書に「裸のサル」「マンウォッチング」「ジェスチュア」など。
(2008年7月1日)
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